「風邪」って何?

「喉が痛いし鼻が詰まって苦しい、だるいし、早く治して!! 」

こういったこと、皆さんは何度も経験されているのではないでしょうか。  

今回から複数回に分けて「風邪」についてお話したいと思います。  


いわゆる「風邪」は、「感冒」「風邪症候群」「急性上気道感染症」といわれるウイルス感染症です。ウイルスの中でも、ライノウイルスというウイルスが主な原因*となり、100以上の血清型があるといわれています。鼻粘膜にウイルスが付着することで発症します。そのため、予防は手洗いやマスク着用が推奨されています。

<予防方法>

・流水と石鹸での手洗い

・咳やくしゃみをする時はマスクをすること

・とっさの咳やくしゃみの際はティッシュや腕の内側で口と鼻を覆うこと

・鼻水や痰がついたティッシュはすぐにゴミ箱に捨てて、すぐに手を洗うこと


また、ウイルスに感染して、1-3日で症状が出てくるといわれていますので、風邪の症状が出た場合に、1-3日前に接触した風邪の人がいれば、「あ〜、あの時にうつったんだ」ということになります。
成人では年間平均2-3回、子供は年間平均8-12回風邪を発症するといった報告があります。 

* ライノウイルス以外もコロナウイルスやインフルエンザウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス、エコーウイルスなども風邪の原因となります。季節性の流行があるウイルスは、より全身症状(発熱など)が強くなります。 

 

風邪の症状は、皆さん経験済みだと思いますが、咳、鼻水、咳です。 

一般的な経過は、最初に喉の痛み、鼻水、鼻詰まりが出てきて、その後咳や痰が出てきて、1週間程度で自然に症状が治まっていくといった経過になります。おおよそ3日目くらいがピークでその後7-10日目で良くなると考えていただければと思います。例外として、咳は感冒後咳嗽といって8週間以上続くこともありますし、喫煙者や喘息など呼吸器疾患、慢性疾患を持っている場合は長い経過になることもあります。


続いて、

「風邪」の時知っておいていただきたいこと 

① 風邪には抗菌薬は効果がありません 

② 症状が辛ければ緩和する薬を使いましょう 

③ 喉の痛み、鼻水、咳が全くない場合は風邪ではないかもしれません 

④ 一度良くなったのが悪化した場合は病院を受診しましょう

次から、それぞれについて説明していきたいと思います。 

知ってほしい感染症のこと

感染症診療、渡航や性感染症、抗菌薬やワクチンのことなど、身近に関係する感染症の知識を、感染症内科医が皆様にお伝えします。

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