結核はどういう時にうつるの?

■結核が感染する3つのリスク

結核が他の人にうつるか(感染させるか)どうかは

「排菌しているか」 

「肺に空洞陰影があるか」 

「咳の頻度が多い」

この3つでリスクが上がります。 

そのため結核発症時には、排菌しているか・していないかで、隔離するか決まります。 排菌している場合は、結核菌が空気中を浮遊し、それを周りの人が吸入し感染するリスクがあるからです。

つまり、結核と診断された人と接触した場合に感染するかどうかは、排菌しているか否かが重要になります


■痰は3連痰

排菌しているかは、痰を採って痰に菌がいるかどうか調べます。

痰は3回採取します(「3連痰」と呼びます)。

8-24時間毎に採取し、1回は早朝の痰を取ることが推奨されています。

入院しないといけないくらい重症な場合は、入院して陰圧室に個室隔離になり、外来通院可能な状態の場合は、自宅に一旦帰宅いただき、3回の痰を家で採って後日病院へ持ってきてもらうことになります。


 ■結核患者さんはサージカルマスクを 

一旦排菌があるとわかった場合は、入院して治療となります。治療を開始して、排菌がなくなるまでは、陰圧室での個室隔離となります。一般的には、治療開始して2週間後に再度痰の検査を行います。

結核患者さんが他の人と接触する場合 

・結核患者さんはサージカルマスク=分泌物を外に放出させないため 

・面会者や医療スタッフはN95型マスク=結核菌を吸い込まないため

を着用します。 

また、結核患者さんの入院出来る病院は限られていますので、受診した病院での入院が出来ないことがあります。「結核病床を持っていない」、「陰圧室が空いていない」、「結核診療の出来る医師がいない」などの理由で他の病院へ紹介となるケースがありますので知っておいた方がよいかと思います。 

知ってほしい感染症のこと

感染症診療、渡航や性感染症、抗菌薬やワクチンのことなど、身近に関係する感染症の知識を、感染症内科医が皆様にお伝えします。

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