結核を疑う時はこんな時

結核について日常考える人は少ないと思いますが、ちょうど勉強していたのでまとめました。

以前、タレントのJOYさんも結核で闘病していたとニュースで話題になったこともありましたね。

「結核って聞いたことあるけど、なんか怖い。」 

「痰に血が混じってたんだけど、結核?」 

「おじいちゃんが結核になったことがあるって言ってたけど、うつったりするのかな?」

「職場の人が結核で入院した。一緒にいたけど大丈夫なんだろうか。」 

など、色々疑問をもたれるかと思います。 気になる方は是非読んでみて下さい。

それらの疑問について答えていきます。  


結核とは 

結核は、結核菌という細菌に感染し発症します。

細菌の中でも、抗酸菌という分類に属します。 

空気中に浮遊している結核菌を肺内に吸い込んで感染します。 

飛沫核感染・空気感染と言われます。 

初めて感染した時に発症する場合(一次結核症)と、感染して一定期間が経過して免疫が低下した時に再燃して発症する場合(二次結核症)に分けられます。大部分は二次結核症です。 

免疫が正常な人では、約90%は生涯発症しないと言われています。 


 ① どういう時に肺結核を疑うか? 

「結核かも?」と思えるようになるために、症状とリスクを知っていただければと思います。

※典型的な症状は、痰が絡んだ咳、血痰、発熱、寝汗、体重減少です。

咳は2-3週間以上続く治らない場合に、より疑います。他、倦怠感や食思不振、呼吸困難、胸痛といった症状が現れることもあります。

「痰に血が混じったら結核!?」と思われるかもしれませんが、血痰=結核ではありません

血痰は他の病気でも起きるので、血痰が出た人の中で結核の割合は約1%です。

結核のリスクは、以下になります。 

・HIV感染者 

・臓器移植後 

・基礎疾患:珪肺、慢性腎不全による透析、糖尿病、胃切除後、悪性腫瘍 

・内服薬:ステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤 

・低体重 

・喫煙者 

・アルコール依存者 

・ホームレス

・医療従事者

・結核の人との曝露歴

・2年以内の結核感染


こういった症状とリスクが多く当てはまる場合は、より結核を疑いますので、病院受診を考えていただければと思います。

医師は、症状・経過、リスク・胸部レントゲン所見を踏まえた上で、結核を疑い検査を行います。




 


知ってほしい感染症のこと

感染症診療、渡航や性感染症、抗菌薬やワクチンのことなど、身近に関係する感染症の知識を、感染症内科医が皆様にお伝えします。

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